ミナミデア

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『魔眼の匣の殺人』を読んだ感想

 2020年9月20日

魔眼の匣

以前当ブログで記事にした屍人荘の殺人の続編になる『魔眼の匣の殺人』を読んだ率直な感想などを書いてみます。

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今回も今村ワールド炸裂!

前作である屍人荘の殺人ではゾンビの襲撃を受け、今回の魔眼の匣では『予知能力』が鍵になります。

今回も剣崎(いわゆるホームズ役)と葉村(いわゆるワトソン役)が斑目機関について調べて行くうちに遭遇する連続殺人事件。

二人の関係性に進展があるのかというのも、今回の気になる部分ではあったのですが、そんな事よりも今回登場する2人の予知能力者のおかげで気がつくと読み終わってました。

ごく普通?の殺人事件ではなく、ある種の能力者と合わせるのはまさしく今村ワールド!では簡単にあらすじをまとめてみます。

魔眼の匣の殺人の内容(ネタバレ)

斑目機関について調べる二人の元に有力な情報が入り、それを調べるために『好見』へと向かいます。
道中のバスの中で出会った2人の高校生の内一人(十色真理絵)が予知能力者。数分後の状態をスケッチするという斬新な手法で予知を行います。

行き先は二人と同じ『好見』、そして好見につくと女性1人・男性2人・子供1人と出会います。その女性がこの地区の出身者でサキミ様と呼ばれる予知能力者のいる『魔眼の匣』に案内してくれます。

実はこの時既にサキミ様は「11月最後の2日間に男女が2人ずつ4人死ぬ」という予言をしています。先客の男性一人、サキミ様、世話係の女性と合わせて男性5人、女性5人、子供1人がこの事件に関わってくる事になります。

一人目の犠牲者は男性(月刊アトランティス編集者)が不意に起こった土砂崩れで亡くなり、サキミ様の予知によると残りは「男性1人に女性2人」

この残りの数が実は重要だったりします。

またしても重要人物が!?

前回の屍人荘の殺人では物語のキーマンになりそうな、ミステリー部部長の明智さんが早々に離脱。なんともやるせない感情を覚えたのですが、今回のキーマンになる予知能力者の十色真理絵も連続殺人の餌食となります。

もはやこれもこのシリーズのお約束かもしれませんね。

個人的書評

このシリーズは登場するSFチックなものの衝撃に比べ、犯行のトリックは案外地味というと語弊がありますが、まぁなるほどと思えるのが私には好印象。
SF+とんでもトリックとなると大味すぎますよね。

犯人の動機を考えた時に、この『魔眼の匣』のような偶然であった男女+予知となると一番起こりうる動機なのでは?と思いました。

総合的に今回も読みやすく、引き込まれる要素もあるので一気に読んでしまえる良書だと思います。

最後に

ゾンビの次は予知能力と、もはや私の興味は剣崎+葉村の探偵よりも斑目機関の研究にあります。

次はどんな能力者が登場するのか、そして斑目機関の謎は最終的には剣崎の手によって解明されるのか、早くも次回作に期待しています。

魔眼の匣の殺人魔眼の匣の殺人
今村 昌弘
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